老人性乾皮症、皮脂欠乏性湿疹

老人性乾皮症、皮脂欠乏性湿疹とは?

中高齢者においては、汗や皮脂の分泌能や角質層の水分含有能の低下、セラミドなどの角質細胞間脂質量の低下など、皮膚の老化が進行し、水分が減少して皮膚がカサカサした状態になります。これを老人性乾皮症といいます。冬には空気が乾燥し、室内で暖房をするために皮膚が乾燥します。お風呂で体をゴシゴシこすると皮膚の表面を覆っている皮脂が取れてますますカサカサの皮膚になります。このような状態になると発疹もないのに、体中が痒くなりますが、これを老人性皮膚そう痒症といいます。

さらにひどく掻きむしっていると湿疹ができますが、これを皮脂欠乏性湿疹といいます。

日常生活上の注意点

予防、治療には本人、家族の日常生活上の注意が大切です。
冬など空気が乾燥する季節には加湿器を使って室内の湿度を保ちましょう。
入浴時にはぬるめのお湯に適度につかり、体を洗う時は低刺激性の石鹸をよく泡立てて、手で軽く洗いましょう。
ナイロンタオルなどで体をこするのは湿疹を悪化させるもとですので、絶対にやめてください。
お風呂には保湿剤入りの入浴剤を入れましょう。
入浴後20分以内に保湿剤を体全体に塗ってください。
就寝時にはウールなど触れるとチクチクするような寝間着は避けましょう。
アルコールや、刺激物はかゆみを増強することがありますので控えてください。

治療

保湿剤を乾燥している所全体に塗布します。湿疹になっている所はステロイドの軟膏を塗布します。
かゆみに対して抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を内服します。